【パワハラされてません?】具体例を解説【パワハラ防止法】

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弁護士の林 孝匡です(プロフィール

  • パワハラって、何?
  • どこからがパワハラなんだろう?
  • どこに相談すればいい?
  • パワハラくそ上司、夢で5回、殺したわ。

こんな疑問にお答えします。

#夢なら何してもOKですね
#わたしは6回殺したことがあります

この記事、しょっぱな少しカタイです。
後にいくほど、やわらかくなります。





パワハラの定義

かなりカタイですが、しばしお付き合いください。

パワハラの定義は、以下のとおりです
パワハラ防止法30条の2・厚生労働省指針2(1))

  1.  優越的な関係を背景とした言動
  2. 業務上必要かつ相当な範囲を超えている
  3.  労働者の就業環境が害されてる

この3つをすべて満たすもの

うーん、よく分らないですね。
法律の定義っちゅうもんは。

ザックリ言えば

  1. 強いヤツが
  2. それやりすぎやろ、ってことをしてきて
  3. キツイんですけど

って感じです。

逆に、

業務上、必要かつ相当な範囲で行われる適正な業務指示や指導

は、パワハラではないとしています。
まぁそうですよね。

パワハラは、ザックリこんな感じです。
後で詳しく説明します。

あと、これだけは忘れないで下さい。

パワハラ防止法の正式名称は

〈労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律〉

です。

#じゅげむじゅげむごこーのすりきれかいじゃりすいぎょの〜

どうでもいいので、次に進みます!

要件1 優越的な関係を背景とした言動

3要件の1つ目です。

ここからバリカタになります。
具体例を知りたい方は【パワハラの6類型】に飛んで下さい。

厚生労働省はこのように述べています。

当該事業主の業務を遂行するに当たって、当該言動を受ける労働者が当該言動の行為者とされる者(以下「行為者」という。)に対して抵抗又は拒絶することができない蓋然性が高い関係を背景として行われるもの

・・・何を言ってるのか分かりませんね。
私はビールを飲みながら読んで、撃沈しました。

その例として厚生労働省が挙げてるものは、

  • 上司の言動
    ※これが一番オードックスなパワハラでしょう
  • 同僚または部下による言動で、当該言動を行う者が業務上必要な知識や豊富な経験を有しており、当該者の協力を得なければ業務の円滑な遂行を行うことが困難であるもの
    ※なので、同僚や部下からのパワハラもありえます
  • 同僚または部下からの集団による行為で、これに抵抗又は拒絶することが困難であるもの
    ※典型的なイジメですね

この3つを典型例をして挙げています。

要件2 業務上必要かつ相当な範囲を超えている

3要件の2つ目です。

社会通念に照らし、当該言動が明らかに当該事業主の業務上必要性がない、
又はその態様が相当でないもの

その例として厚生労働省が挙げてるものは、

  • 業務上明らかに必要性のない言動
  • 業務の目的を大きく逸脱した言動
  • 業務を遂行するための手段として不適当な言動
  • 当該行為の回数、行為者の数等、その態様や手段が社会通念に照らして許容される範囲を超える言動

この4つを典型例をして挙げています。
そして、続けて、

この判断に当たっては、様々な要素(当該言動の目的、当該言動を受けた労働者の問題行動の有無や内容・程度を含む当該言動が行われた経緯や状況、業種・業態、業務の内容・性質、当該言動の態様・頻度・継続性、労働者の属性や心身の状況、行為者との関係性等)を総合的に考慮することが適当である。また、その際には、個別の事案における労働者の行動が問題となる場合は、その内容・程度とそれに対する指導の態様等の相対的な関係性が重要な要素となることについても留意が必要である

厚生労働省、落ち着いてくれ!
もう気を失いそうですね。

ザックリ言えば、

「色々なことを混ぜこぜに考えて、〈業務上必要かつ相当な範囲を超えている〉かどうか判断するYo!」

って感じです。

上司の指導が
〈業務上必要かつ相当な範囲を超えている〉かどうか。

この判断は・・・マジでムズいです。

裁判でも判断が分かれることがあります。

地裁の裁判官は、

裁判官
裁判官
業務上必要かつ相当な範囲を超えている。パワハラである

と判断したのに、

高裁の裁判官は

裁判官
裁判官
寝言は寝て言えよ。
超えていない。パワハラではない

と、真逆の判断をすることも多いので。
#こんなクチの悪い裁判官はいない

要件3 労働者の就業環境が害されてる

3要件の3つ目です。

〈労働者の就業環境が害されてる〉とは、

当該言動により労働者が身体的又は精神的に苦痛を与えられ、労働者の就業環境が不快なものとなったため、
能力の発揮に重大な悪影響が生じる等当該労働者が就業する上で看過できない程度の支障が生じること

と厚生労働省は言っています。そして、

この判断に当たっては、「平均的な労働者の感じ方」、すなわち、同様の状況で当該言動を受けた場合に、社会一般の労働者が、就業する上で看過できない程度の支障が生じたと感じるような言動であるかどうかを基準とすることが適当である

と続けています。

パワハラと感じるか感じないか、
って人それぞれなので、
〈平均的な労働者〉を基準に考えると言っています。

このような方を想定しているんでしょう

長くなりましたが、
アナタの受けているストレス

  1. 優越的な関係にある人からの言動で
  2. それが業務上必要かつ相当な範囲を超えていて
  3. アナタの就業環境を害している

すべてに当てはまれば
パワハラになります。

ただ、これではカナリ抽象的なので、
厚生労働省は6つの類型を挙げました。



パワハラの6類型

パワハラ1 身体的攻撃

  • 殴る、蹴る
  • 物を投げつける

パワハラ2 精神的攻撃

  • 人格を否定するような言動
    相手の性的指向・性自認に関する侮辱的な言動を含む
  • 業務の遂行に関する必要以上に長時間にわたる厳しい叱責を繰り返し行う
  • 他の労働者の面前における大声での威圧的な叱責を繰り返し行う
  • 相手の能力を否定し、罵倒するような内容の電子メール等を当該相手を含む複数の労働者宛てに送信

⚠パワハラではない場合

  • 遅刻など社会的ルールを欠いた言動が見られ、再三注意してもそれが改善されない労働者に対して一定程度強く注意をすること
  • その企業の業務の内容や性質等に照らして重大な問題行動を行った労働者に対して、一定程度強く注意をすること

パワハラ3 人間関係からの切り離し

  • 自身の意に沿わない労働者に対して、仕事を外し、長期間にわたり、別室に隔離したり、自宅研修させたりすること
  • 一人の労働者に対して同僚が集団で無視をし、職場で孤立させること

⚠パワハラではない場合

  • 新規に採用した労働者を育成するために短期間集中的に別室で研修等の教育を実施すること
  • 懲戒規定に基づき処分を受けた労働者に対し、通常の業務に復帰させるために、その前に、一時的に別室で必要な研修を受けさせること

パワハラ4 過大な要求

  • 長期間にわたる、肉体的苦痛を伴う過酷な環境下での勤務に直接関係のない作業を命ずること
  • 新卒採用者に対し、必要な教育を行わないまま到底対応できないレベルの業績目標を課し、達成できなかったことに対し厳しく叱責すること
  • 労働者に業務とは関係のない私的な雑用の処理を強制的に行わせること

⚠パワハラではない

  • 労働者を育成するために現状よりも少し高いレベルの業務を任せること
  • 業務の繁忙期に、業務上の必要性から、当該業務の担当者に通常時よりも一定程度多い業務の処理を任せること

パワハラ5 過小な要求

  • 管理職である労働者を退職させるため、誰でも遂行可能な業務を行わせること。
  • 気にいらない労働者に対して嫌がらせのために仕事を与えないこと。

⚠パワハラではない

  • 労働者の能力に応じて、一定程度業務内容や業務量を軽減すること。

パワハラ6 個の侵害

  • 労働者を職場外でも継続的に監視したり、私物の写真撮影をしたりすること。
  • 労働者の性的指向・性自認や病歴、不妊治療等の機微な個人情報について、当該労働者の了解を得ずに他の労働者に暴露すること

あと、あかるい職場応援団(厚生労働省)で挙げられた例として、

  • 出身校や家庭の事情等をしつこく聞かれ、答えないと総務に聞くと言われた (女性、40 歳代)
  • 接客態度がかたいのは彼氏がいないからだと言われた(女性、20 歳代)
  • 引越したことを皆の前で言われ、おおまかな住所まで言われた(女性、20 歳代)

が〈個の侵害〉にあたると。

⚠パワハラではない

  • 労働者への配慮を目的として、労働者の家族の状況等についてヒアリングを行うこと
  • 労働者の了解を得て、当該労働者の性的指向・性自認や病歴、不妊治療等の機微な個人情報について、必要な範囲で人事労務部門の担当者に伝達し、配慮を促すこと。

これ以外もパワハラあり

以上の6類型は、あくまで代表的なもの。
これ以外にもパワハラはありえます。

繰り返しになりますが、

  1. 優越的な関係にある人からの言動で
  2. それが業務上必要かつ相当な範囲を超えていて
  3. アナタの就業環境を害している

すべてに当てはまれば

パワハラになります。

なので、
わたしの受けているストレスは3つの要件を満たすかな?
と考えてみてください。

非常に難しい判断なので、悩んでいる方は、一番下の【相談するところ】で相談してみて下さい。



突発的下剋上はパワハラではない

#戦国時代の幕開け・北条早雲

パワハラにあたるのは
〈優越的な関係を背景〉に行われた場合だけなんです。
厚生労働省指針の2(7)でそう言ってます。

なので、
下剋上はパワハラではないんです。

たとえば、

  • 新入社員が
    「テメー、仕事してるふりしてエロサイト見てんじゃねーよ!」と
    部長の胸ぐらをつかむ

パワハラではありません。

  • 半沢直樹の「倍返しだ!」

パワハラではありません。

相談するところ【無料】

労働局でのパワハラ相談は右肩上がりです。

(出典:令和元年度個別労働紛争解決制度の施行状況)

パワハラに悩んでる方がおられたら

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