【ノウハウ】社内のパワハラ相談窓口を駆使する方法 | 全手順を解説
こんにちは。
弁護士の林 孝匡です(プロフィール)
パワハラの相談をしたいんですけど、社内の窓口に言えばいいんですか?
パワハラ防止法ってのが始まったって聞いたんですけど、私たちはどうすれば…
という疑問にお答えします。
この記事、
【2部構成】にしました。
まず、前半では
- 社内の相談窓口を使った手続きの流れ
- パワハラ防止法の使い方
- 外部機関でも相談できる
を解説します。
そして後半では、
パワハラされてたら、ほかに何ができるんでしょうか?
とを知りたい方に向けて、
- 会社都合を勝ちとる方法
- 休職する方法
- 上司に損害賠償請求する方法
- 労災を勝ちとる方法
- 【おまけ】鬼滅の刃のパワハラ会議
を解説します。
約6,000文字あるので、
気になるところだけでもOKです。
目次をササッと眺めてみて下さい。
タップで飛べます。
時間がある方は
本題に入る前に
本題に入る前に、
- パワハラの6類型
- スムーズに会社を辞める方法
をサラっと。
パワハラの6類型
パワハラって、そもそも何ですか?
を知りたい方は、
コチラをご覧ください。
基礎知識をザッと押さえれます。
▲ この記事で、
パワハラの6類型
- 手を出す(身体的攻撃)
- 言葉ぜめ(精神的攻撃)
- 仲間はずれ(人間関係の切り離し)
- 無理やん…(過大な要求)
- 仕事を取り上げる(過少な要求)
- プライベートに土足(個の侵害)
と
パワハラの3要件
を詳しく解説しています。
スムーズに会社を辞めたい方
こんな会社キツイので、もう辞めたい
スムーズに会社を辞めたい方は、
コチラをご覧ください。
- 退職代行を使ってスムーズに辞めたい
→ 【完全解剖】退職代行とは? | あなたの全疑問に答えます【弁護士解説】 - 自分でゴリゴリ交渉して辞めたい
→ 退職【願】はダメ!パワハラ会社を辞めるときは【退職届】 例文を紹介
あなたの命が1番大事です。
退職届を突き返されて
自殺に追い込まれた事件です…
【裁判事例】19歳の新入社員が自殺|パワハラ上司が「死んでしまえ」
パワハラ会社なら、
退職代行をオススメしてます。
社内にはパワハラ相談窓口が【必ずある】
では、本題に入ります。
2022年4月〜
パワハラ防止法がスタートしたので、
・・・はずです。
会社は
相談窓口はココですよ
と、
皆さんに伝えないとダメなんです。
事業主は、労働者からの相談に対し、その内容や状況に応じ適切かつ柔軟に対応するために必要な体制の整備として、次の措置を講じなければならない。
イ 相談への対応のための窓口(以下「相談窓口」という。)をあらかじめ定め、労働者に周知すること。
(相談窓口をあらかじめ定めていると認められる例)
① 相談に対応する担当者をあらかじめ定めること。
② 相談に対応するための制度を設けること。
③ 外部の機関に相談への対応を委託すること。
相談窓口は、
【社内】に設置されてることもあれば、
【外部】に委託されてることもあります。
- 【社内】相談窓口の設置例
-
- 管理職や従業員をパワーハラスメント相談員として選任して相談対応
- 人事労務担当部門
- コンプライアンス担当部門/監査部門/人権(啓発)部門/法務部門
- 社内の診察機関、産業医、カウンセラー
- 労働組合
- 【外部】相談窓口の設置例
-
- 弁護士の事務所
社会保険労務士の事務所 - ハラスメント対策のコンサルティング会社
- ハラスメント相談窓口を代行している企業
- 弁護士の事務所
なので、まずは、
相談窓口を探して、申し入れましょう。
・・・
・・・・・
あの〜、私の会社、パワハラ相談窓口がないんですけど…
それは、ヤバイ会社ですね…。
遵法精神のカケラもない。
そうなれば
外部機関に相談しましょう。
外部で相談できるところは、
- 労働局(行政がやってるところ)
- 労働委員会( 〃 )
- ユニオン(=労働組合)
- 弁護士
です。
詳しくはコチラをご覧ください
→ 【ここに駆け込もう】パワハラされたら相談するところ | 全手順を解説
パワハラ相談窓口に相談したあとの流れ
あなたが、
パワハラされてます
と申し入れれば、
会社は、こんなことをしなければなりません。
異動、懲戒処分など
パワハラ防止法が義務づけてるんです。
順番に解説しますね。
パワハラがあったかを確認
あなたが社内の相談窓口に駆け込んで、
暴言を吐かれるんです。パワハラだと思うんですけど…
と申し入れたのに、
会社が、
まぁまぁまぁまぁ、むにゃむにゃ
みたいな対応をとったら、アウトです。
▼ アウト動画はコチラ
逃げた!
上司のガンムシ動画(約2分)はコチラ
パワハラに悩んでる女性社員が
上司に相談したのに、
「まぁまぁ、あんまり面倒は起こさないでくれよ」
と聞き流した挙句、逃亡。
これ、録音してれば、
損害賠償請求できる可能性あります。
あなたがパワハラ相談をすれば、
会社は、
速やかに事実確認をする義務があるんです。
会社の相談窓口に行く前に、
パワハラの証拠を集めましょう。
証拠がなければ、
会社が上司に
きみ、○○さんに頻繁に暴言を吐いてるようだね
と問いただしたとしても、
神に誓ってそんなことはしておりません!
とシラを切ります。
こんな上司は、裁判でも
わたしくは暴言を吐いていません。神に誓います
とかホザきますから。
きー!
なので、録音するなどして、
証拠を集めましょう。
証拠の集め方はコチラ
→ 【ゼッタイ必要】なパワハラ証拠9つと | 証拠が役立つケース7つ
被害者(あなた)をレスキュー
事実関係を確認した結果、
パワハラがあった場合。
会社は、
アナタをレスキュー
しなければならないんです。
- あなたと加害者との関係改善に動く
- 加害者の配置転換
- 加害者からあなたへ謝罪させる
- あなたの労働条件が悪くなってたらそれを戻す
- あなたのメンタルヘルスに配慮
なので、
あの上司を配置転換してください
などと、申し入れてみましょう。
会社が何もしなければ、
安全配慮義務違反で違法になります。
裁判官が、
何の措置もとってないがな!違法!
と判断した裁判例があります。
加害者にしかるべき措置をとる
事実関係を確認した結果、
パワハラがあったなら、
加害者にしかるべき措置
をとらなきゃダメなんです。
- 懲戒処分を出す
- あなたと加害者との関係改善に動く
- 加害者の配置転換
- 加害者からあなたへ謝罪させる
懲戒処分の例は、
・減給
・降格
・けん責
・出勤停止
・諭旨解雇
・懲戒解雇
です。
会社は、
就業規則などに基づいて、
加害者に対して適正な処分を
しなければなりません。
なので、
上司を配置転換してほしいです
上司に懲戒処分を出してほしい
と申し入れてみましょう。
もし、会社が上司に何の措置も行わなければ
裁判官は、
何の措置もとってないがな!違法!
と判断する可能性が高まると思います。
再発防止策をとりたまえ!
まだ終わりませんよ。
会社は、
再発防止策を講じなきゃダメなんです。
重要なことをお伝えするので、
▼ タップして開けて下さい
▲ 赤文字の部分が大事です。
会社が調査した結果、
パワハラとは、いえないです
って判断した場合であっても、
再発防止策を講じる義務があるんです。
私は、これ結構デカイと思うんです
損害賠償請求するときの材料になる気がします
1回目相談したときに、
パワハラとは、いえないです
って判断されたとしても、
時を経て、
上司のパワハラちっくな行動が止まらなければ、
再び相談しましょう。
1回目の相談のあと、
会社が再発防止策をとっていなければ、
義務違反となります。
再発防止策をとらなかったこと自体が義務違反
=職場環境配慮義務違反となる。
=損害賠償請求するときの材料となる。
という理屈です。
なので、
まとめ:社内の窓口に相談した場合の流れ
まとめます。
社内のパワハラ相談窓口に
申し入れた場合の流れは
以下のとおり。
▼ すべて会社の義務です
異動、懲戒処分など
+ α
パワハラ防止法は、あなたの武器
パワハラ防止法の詳細も、
押さえておきましょう。
パワハラ防止法は
会社に対して、
▼ これやりなさいよ
と義務づけました。
- 「パワハラを許しません!」と周知せよ
- 「パワハラした奴を厳正に対処します」と周知せよ
- 「相談窓口はココですよ」と周知せよ
- 「相談者のプライバシーを守ります!」と周知せよ
- 「相談しても何の不利益もありませんよ」と周知せよ
- 相談窓口をキチンと機能させよ
- 相談があればソッコーで事実関係を確認せよ
- パワハラが確認できたら、被害者をレスキューせよ
- パワハラが確認できたら、加害者にしかるべき措置をとれ
- 再発防止策をとりたまえ
これ、会社がやってなければ、
こちらを読んで、知識武装して下さいね
→ 【中小企業で働いてる方へ】パワハラ防止法の使い方 | 厚生労働省指針を徹底解説
・・・
・・・・・
・・・・・・・
あの〜、会社がゼンゼン動いてくれないんです…
でた!漆黒企業!
ほんと、こんな会社多いです…。
おかざりだけの窓口、多いですからね。
厚生労働法の調査でも、
動かない会社、多いです。
そんな時は、外部機関に申し入れましょう。
外部機関への相談
外部で相談するところは、
- 労働局(行政がやってるところ)
- 労働委員会( 〃 )
- ユニオン(=労働組合)
- 弁護士
です。
詳しくはコチラをご覧ください
→ 【ここに駆け込もう】パワハラされたら相談するところ | 全手順を解説
▼▼▼▼▼ ここから後半 ▼▼▼▼▼
ここからは、
パワハラされてたら、ほかに何ができるんでしょうか?
を知りたい方に向けて、解説します。
会社を辞めたい方
まずは、
こんな会社キツイので、もう辞めたい
という方。
▼ 辞め方は、2通りです
パワハラ会社なら、
退職代行をオススメしてます。
- 退職代行を使ってスムーズに辞めたい
→ 【完全解剖】退職代行とは? | あなたの全疑問に答えます【弁護士解説】 - 自分でゴリゴリ交渉して辞めたい
→ 退職【願】はダメ!パワハラ会社を辞めるときは【退職届】 例文を紹介
会社都合の勝ちとり方
自己都合にされそうなんですけど、会社都合にできないですかね
という方。
パワハラが原因で退職したことを、
証明できれば
会社都合を勝ちとれます。
詳しくはコチラをご覧ください
→ 【会社都合へチェンジ!】パワハラが原因で退職したなら【異議申立て】
休職したい方
パワハラがきつくて、うつ病になりそう。とりあえず休職したいんですが…
という方。
詳しくはコチラをご覧ください
→ 【生存戦略】パワハラで休職するときに知っておくべきこと|事前準備
上司を訴えたい方(損害賠償請求)
パワハラ上司に
倍返しだ!損害賠償請求したいです!
OK、半沢。
▼ コチラに全手順を書いています。
→ 【反撃開始】パワハラ上司を訴える方法 | 弁護士が4ステップを解説
労災を勝ちとりたい方
パワハラで精神的にやられちゃったので、労災を勝ちとりたいんです
という方。
精神的ストレスが【強】
と認定されれば
労災認定を勝ちとれます。
詳しくはコチラをご覧ください
→ パワハラでも労災は下りる!認定率アップ中|証拠があれば勝てる確率 ↑
鬼滅の刃のパワハラ会議
最後、かるく読み物を
→ もし無惨を訴えたら?『鬼滅の刃』のパワハラ会議 | 弁護士が解説
鬼滅の刃のパワハラ会議、
おそろしかったです。
パワハラが盛りだくさん。
- 身体的攻撃(ていうか殺してる)
- 精神的攻撃
- 過大な要求
- 個の侵害
良ければご覧ください。
さいごに
この記事をじっくり読んで、
対策を立ててみて下さいね。
これから
ストレスのない仕事人生を歩めるように
願っています。
あと、
- ここ分かりにくかったなぁ
- こんなことを知りたいなぁ
- 分かりやすかった!
などあれば
〒 林へポスト に入れていただければ
嬉しいです。
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